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プロジェクトワイルド『鳥編』エデュケーター講習会を開催しました!

2021.03.05 更新
公園のはなし

いきなりですが、皆さん「鳥」はお好きですか?
一口に鳥といっても、世界には様々な種類の鳥たちが生息しており、その数はなんと約1万種と言われています!
森や海などの自然はもちろん、都会の中でも出会えたり、ペットとしても愛される鳥たちは、環境学習の身近な題材ともなります。
今回、その鳥たちをテーマとしたプロジェクトワイルド『鳥編』エデュケーター(一般指導者)資格取得講習会を2月28日(日)に開催しましたので、その様子をご紹介します♪

 

『プロジェクト・ワイルド』とは、アメリカで開発された「自然や環境のために行動できる人」を育てる環境教育プログラムで、学校や野外活動において、生きものを通じて環境を学ぶことが出来ます。
中でも『鳥編』は、日本の野鳥を題材とし、アメリカのアイデアを導入して作成したプログラムで、身近でありながら意外と知られていない鳥たちについて、学びを深めることができる様々なアクティビティを紹介しています。

プロジェクトワイルドの詳細についてはこちら

この講習会は、鳥編のプログラムを子どもたちに教えることができるエデュケーター(一般指導者)の養成講座です。
今回は、自然環境の指導者や動物園の獣医、動物専門学校の学生さんなど、幅広い年代や職種の方々にご参加いただけました。

まずは芝生の上での自己紹介から、講習会スタート!
今回の講師であるファシリテーター(上級指導者)の「あかたまん」と「ぶうちゃん」、そしてイベントサポートの「わんこ」と「大将(筆者)」をはじめ、それぞれの参加者がお名前やワイルドネーム(簡単に言うとあだ名)、好きな動物を紹介しました。
ちなみに、講師陣の不思議な名前もワイルドネームで、普段も子どもたちに親しみやすいネームで活動しています。

最初のプログラムは『夜明けのコーラス』!鳥の特徴である「鳴き声」がテーマです。

皆さんは鳥の鳴き声が2種類あることをご存じでしょうか?
一つ目は「さえずり(Song)」。主に求愛行動として、メスを引き付けるためにオスがさえずります。
二つ目は「地鳴き(Call)」。こちらは日常的な鳴き声で、食事や危機回避、仲間を呼ぶなどの様々なシーンで鳴き分けているそうです。
鳥の鳴き声は種類によって千差万別であり、なかなか聞き分けるのは難しい…、そこで古くから活用されている方法が「聞きなし」です。
「聞きなし」とは、鳥の鳴き声を人間の言葉に当てはめて、覚えやすくした言葉で、例えば、ウグイスの「ホーホケキョ」⇒「法、法華経(ほう、ほけきょう)」がよく知られています。

というわけで、早速みんなで聞きなしにチャレンジしてみました!
参加者で輪になって鳴き声を聞き、地面に置かれたカードの中からどの鳥の聞きなしなのかを判断します。

すぐにわかる聞きなしから、それは無理やりでは?と疑問に思うものもありますが、鳥の鳴き声を学ぶきっかけとして最適です。
さて、「チルチルミチル青い鳥」とは一体何の鳥の鳴き声なのでしょうか?

正解は「メジロ」のさえずりでした!
メジロに出会った際は、鳴き声が聞きなしのように聞こえるか、耳を澄ませてみてください♪

 

2つ目は『ただのカモなんだけどね!』。タイトルからは想像できない、水鳥たちのすごさを学べるプログラムです。

多くの水鳥は、夏と冬で違う場所に住んでおり、その移動を「渡り」と呼びます。
その旅路はとても大変で、中には、日本から約4,000km離れたロシア北部からやってくる水鳥(コハクチョウ)もいます。すごいですね!
このプログラムでは、水鳥の渡りを模擬体験することができます。​

参加者は、自分が引いたカードに書かれた水鳥になりきって渡りに挑戦します。
この日は晴天!せっかくなので屋外に出て、巨大な紙に書かれた出発地から終着地までの経路を辿ってみました。

各水鳥の渡りルート上には、中継地や終着地に色付きペットボトルが置いてあり、そのペットボトルめがけて輪を投げ、入れば移動成功!
最後までミスせずに終着地にたどり着けば渡りは大成功!!

渡りの距離が長い水鳥ほど難易度が高く、最後まで移動できずに中継地で留まる方もいましたが、実際にもアクティビティのように中継地に留まって住み着く水鳥もいます。
みんなで遊びながら、水鳥の習性や渡りの大変さを身を持って学ぶことができました。
プロジェクトワイルドの特徴の一つに模擬体験があります。このアクティビティのように野生動物になりきって体験しながら学ぶ内容のものがたくさんあります♪

 

3つ目は『どうやって鳥を見分ける?』。
このアクティビティを担当したのは、公園の動物の森のスタッフである「わんこ」。
「みんなに見てもらいたい!」と、動物の森にいる鳥たちの卵や羽の標本を持ってきてくれました。
卵はフラミンゴやエジプトガン、ホロホロチョウなど。それぞれ何の鳥の卵かわかりますか?

この羽はインドクジャク。羽が雨にぬれると緑色から紫色に見え方が変わるそうです。

卵と羽を見て触ってみた後は、鳥の観察方法を遊びながら学びました。
参加者の前方にいるわんこがついたて(机)の上からある鳥の写真を出し、みんなでその鳥の特徴を書き留めるプログラムです。

ここで重要なのが、「よく観察すること」。鳥の体の特徴(頭や翼の色、体つきなど)をよーくみて、観察シートにメモします。
よく観察することで、鳥の種類を見分ける力が自然と養われるのです。小さなお子様で楽しめるので、ぜひご自宅でも遊んでみてください(^^)

 

鳥の観察ポイントを学んだ後は、4つ目のプログラム『鳥のビンゴ』で観察実践!

最初に、チームに分かれて鳥の行動にまつわるビンゴカードを作ります。
「鳴く」や「えさをとる」、「まっすぐ飛ぶ」、「かくれる」などの行動をビンゴカードのマスに当てはめます。
1マスは自分たちで行動を考えてもOK!

ビンゴカードを作成したら野鳥観察。
公園の東側にある「カモ池」にて、野鳥の行動を観察してみます。鳥たちのどんな姿を見られるでしょうか?

水面で羽をばたつかせる鳥を発見!ビンゴシートに〇をつけます。
このチームは5ビンゴ達成!しかし、「ピョンピョンはねて歩く」鳥だけ見当たらなかったようです。
自分たちで考えた行動「近づくと逃げる」はばっちり観察できたようですね!

こちらも、ご家族やお友達と一緒に気軽に楽しめるアクティビティです。
なぜ鳥がそのような行動をとるのか?考えるのも楽しいです。
ウが羽を広げてじっとしているのはなぜでしょう?風を感じている?カッコいいポージング中?なぜでしょうね!
オリジナルのビンゴシートを作って、みんなで遊んでみてください!

 

最後は「鳥のスポーツチーム!?のトリビア」。鳥と人のつながりについて考えるアクティビティです。

私たち人間の生活の中には、様々な鳥が潜んでいます。
例えばスポーツチームでは、ご存じ福岡ソフトバンクホークスのシンボルといえばタカであり、宗像を本拠地とするラグビーチーム「宗像サニックスブルース」はトビをマスコットとして採用しています。
他にはどんな鳥がスポーツチームや企業のマスコットとして採用されているでしょうか?その理由と併せて、みんなで考えてみました。

航空会社JALのロゴマークであるツルについては、「日本を代表する鳥だから」、「長距離を渡ってくる習性が、飛行機とマッチするから」、「ツルは千年、亀は万年という言葉から、企業長寿を願い意味では?」など、様々な意見が出ました。
いろんな方とテーマについて話し合ったり、様々な意見を聞けるのがこのアクティビティの面白さです。

続いて、自分がスポーツチームや企業のトップになったつもりで、鳥の行動や習性をアイデアの源として、エンブレムやスローガンを考案してみました。
陸上競技やラグビーチーム、旅行会社、産婦人科など、業種は多種多様で
すが、それぞれ鳥の特徴を捉えた力作です。

これにて全プログラム終了!エデュケーター(一般指導者)認定です。おめでとうございます♪
ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。
なお、今回は新型コロナ感染症対策で、屋外でのアクティビティをメインに時短メニュー&休憩で実施しました。
参加者の皆様は検温やマスク着用、手洗い消毒等にご協力いただきありがとうございました。

海の中道海浜公園では、北部九州の環境学習の拠点となれるよう、講習会以外にもプロジェクトワイルドを活用した様々なイベントを随時開催しております。
開催時は公園HPにてお知らせしますので、ご興味のある方はぜひご参加ください。