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コブハクチョウ繁殖計画2025

2025.05.21 更新
動物の森

皆さんこんにちは。そろそろ6月ですね。
1年の半分が過ぎようとしていることに改めて驚きを隠せません。
そんな中よいニュースがあります。
それはもうすぐ水鳥たちの展示が再開できるだろう、というものです。
ニュースといいましたが、例年のトリインフルエンザ収束を見るにそろそろ落ち着くだろう、
いやそうであってほしいといういち飼育員の願いにすぎませんね。
実際の時期は自然のみぞ知ることですので、正式な発表をお待ちいただけますと幸いです。

さて、そんな水鳥達の中で最も大きい「コブハクチョウ」。
現在当園では飼育している4羽のうち3羽のみ展示しています。
(1羽は老齢個体のため安全な飼育場で穏やかに過ごしてもらっています)
展示している3羽のうち2羽がオスとメスのつがいではありますが、
コブハクチョウの繁殖シーズンは2月~5月ごろまで。
トリインフル流行期間とばっちり重なってしまっています。
普段は園内を自由に動き回っているコブハクチョウたちですが、
トリインフル流行期間は命を守るために屋根がありネットで囲まれている空間で飼育しています。
つまり、限られた場所で人工的に適切な環境を作らなければ繁殖は難しいということです。

と、いうことで今年はコブハクチョウが繁殖したいと思えるよう
環境を整えて飼育してみることにしました。
まず、多くの水鳥たちと同じくコブハクチョウも交尾は水の中で行います。
そのため、2羽で入ることができるプールを設置しました。
プール.jpg ↑プール(水を入れる前に入って来たところ)
さらに、巣を作って卵を産む鳥のため巣材となる乾草や枝を用意しました。
年明け前に乾草を入れ始めましたが、コブハクチョウたちが初めて巣を作ったのは3月8日。
4月に卵を産み、5月に雛が生まれると考えると時期としては妥当で、
巣を作るということは卵を産む可能性が高いため私は心が躍りました。
巣.jpg ↑コブハクチョウの巣
営巣の様子はこちら(動物の森公式youtubeより)

しかし3月27日から、巣の様子がおかしいことに気が付きます。
最初に巣が作られてから、ずっと手入れをされていてきれいだったはずなのに
その日から巣が見るからに荒れているのです。まさか...。
もしかしたらまた手入れし始めるかも、と思いましたがやはり巣は放棄されていました。
その後、オスからの求愛も確認しましたが卵を産むことはなく、
何度も営巣しては放棄して壊れる、の繰り返しでした。
2羽の仲は良いものの繁殖はうまくいかないまま現在を迎えています。
今シーズンの繁殖はもう難しそうですが、この失敗を無駄にはできません。
来シーズン、同じように繁殖とトリインフルエンザの時期が被った時のために、
改めて今年の夏から環境を整え始める予定です。
来年こそは皆様にコブハクチョウの子供をお見せできますように!

それはそれとして、トリインフルエンザが落ち着けば水鳥たちは園内での放飼飼育に戻ります。
ぜひ会いに来てくださいね!