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飼育員の憂鬱 第1話『リスザル収容』

2024.12.04 更新
動物の森

私が飼育員になってもうすぐ12年が経とうとしています

ずっと憧れていたこの仕事に長く就けている私は幸せ者です

      

そんな日々の中でよくお客さんからは

『毎日動物に囲まれて楽しいでしょう』とか

『さぞ可愛いでしょうねー』とか

『私も飼育員になりたーい!』なんて羨ましそうに声をかけてくださいます

      

そりゃー、もちろん『好き』を仕事にしたんだから毎日楽しいですよ

楽しいんです、、、が!

あるんですよ、地味に嫌だったり、ストレスに感じる事

飼育員が抱える憂鬱が

        

ブログの記事ってのは、いつもこうキラキラした内容が多いでしょ?          

だから、あえてここではそんな飼育員になって感じた裏の大変さってのをシリーズ化してみなさんに共有したいなって

てか、半分私の憂さ晴らしだと思ってちょっとだけ聞いてくださいな(笑)

(独断と偏見です)

    

    

私が憂鬱に思うこと

それはダントツで『リスザル収容』です

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動物の森では100頭以上のリスザルを飼育しています

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エリアは柵なしで島をぐるっと一周池が囲んでいて

これらを年に1度冬季に、個体管理のため全頭収容し捕獲しなければなりません

併せて収容後には島池の排水をし、業者を入れての大掛かりな島の掃除をします

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収容場所は島の中央にある獣舎

ここに全頭リスザルを入れ込むわけなんですが

まあ、これがめっっっちゃ大変!!(汗)

           

どうやって入れるかというと

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獣舎扉に落とし蓋を設置して

島の外までロープを引っ張って、ひたすら待ち伏せします

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そして、獣舎内に入れた餌に引き寄せられたところを捕獲

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これを全頭入るまでひたすら繰り返します

              

序盤は餌欲しさに比較的ポンポン捕まっていくんですが

半数を超えてくると、サルも馬鹿じゃない

(なんかあそこやべぇぞ)

と警戒してきて明らかに捕獲スピードが落ちてきます

ここからがまさに人間とサルの知恵と我慢比べ  

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2月の寒空の下、じっとリスザルたちが入ってくれるのを1人待ち続けます

時には夜通しで見張って機を待ちます

                          

『なんでスタッフみんなで一斉に捕まえないの?』って思うでしょ?

じつはリスザルの島には高さ30mを超える松の木が植わってます

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ひとたびスタッフが島に入ろうもんなら警戒して、

その松林のてっぺんまで登って降りてきません

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こうなると、いくら飼育員でも手出しができません

だからこそ島の外から遠隔で捕獲しないといけないんです

                

捕獲するまでの期間を超えてしまうと

既に捕獲したリスザルたちに負担がかかってしまうのと

業者を入れての大作業となるため莫大な費用がかかります

まぁここは大人の事情ってやつです

      

捕獲したリスザルたちの健康も考えつつ、

でも、業者との兼ね合いもあるので期間内に収容しなさい!

このプレッシャーの中、期間が決まっている以上

その期間内に全頭収容しないと人にも動物にも迷惑がかかってしまうため

担当者としてめちゃくちゃ責任重大です

        

しかし相手は動物。。。

『はいそうですか!』なんて、こちらの事情を組んでくれるはずもなく(笑)

最後の1頭になっても粘りに粘って警戒します

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ついには獣舎に入りもせず、扉越しに餌だけかすめて悠々と食事するものまで

       

正直この作業をしていると終盤には

こんなに可愛いリスザルでも段々と憎たらしく感じてきます

たぶんこの時の私の顔ははたから見たらこんな感じ

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まぁ、あっちも逃げるのに必死なんでしょうが(笑)

どうしてもこの作業の時だけは好きになれない

どうにかもっと楽に捕まえられる方法ってないですかねー

みなさんも良い案があったらぜひ教えてください

               

さぁ、そろそろ近づいてきたリスザル収容の季節

果たして私は無事リスザル収容できるのでしょうか

こうご期待!!