アカツクシガモのヒナ成長中!
- 2025.07.16 更新
- 動物の森
皆さんこんにちは。夏本番、暑い日が続いています。
動物園に遊びにいらした際は、熱中症や脱水症状に注意して
水分をこまめにとったり涼しい場所に避難しながら楽しんでくださいね。
気分が悪くなった場合はすぐにお知らせください。
と、そんな暑さの中アカツクシガモのヒナたちが孵化しました。
卵を産んだのは5月の中旬あたり。
このペアは昨年も3羽を立派に育てたベテラン夫婦です。
あまりにベテランすぎて、餌を変えに行くといつも巣の外にいるので
卵に光を当てて中を確認する「検卵」を行うまで、抱卵しているとわからないほどでした。
そんなベテランのアカツクシは卵を合計7個産卵し、
そのうちの5つが6月20日に無事に孵りすくすくと成長していました。
しかし、ある朝出勤してヒナたちを確認すると1羽が仰向けで死亡しており、
現在は4羽が元気に育っています。
7つの卵のうち、5つしか孵化していないの?と
疑問に思うかもしれませんが、実はそう珍しいことではありません。
鳥は卵の中でも、孵化する瞬間も、生まれてからも命がけなのです。
まず、7つのうち1つは「中止卵」と呼ばれる、
卵の中でヒナが成長を止めてしまった状態でした。
そしてもう1つは「逆子」でした。通常は卵のとがっていないほうに頭があるのですが
その子は卵のとがっているほうから殻を破りました。
殻を破って外には出たようでしたが、翌朝死亡を確認しました。
卵の殻の内側に出血が見られたことから、未熟児でもあったと推察されます。
こんなふうに、外の世界を見る前から鳥の過酷な一生は始まっているのです。
さらに、仰向けで死亡していた1羽は解剖したところ死亡の直前まで
元気であったことが伺えました。では、なぜ死亡してしまったのでしょうか?
これは予想に過ぎませんが、もしかすると仰向けにひっくり返ってしまったのかもしれません。
鳥のヒナは、仰向けにひっくり返ると自力では戻ることができません。
成鳥であれば大きな羽を使って戻ることができたかもしれませんが、
ヒナには幼綿羽と呼ばれるふわふわの羽しか生えていません。
病気であればうつぶせで死亡していることが多いところ仰向けだったということもあり、
そのような可能性が高いのではないかと予想しております。
きっと苦しかっただろうな、と死ぬまでの時間を考えてしまう悲しい気持ちと、
特に段差のあるような場所でもなく、何も対策としてできることがないのが
担当飼育員として悔しいかぎりです。
ですが、鳥のヒナにとっての魔の2週間は過ぎました。
順調に大きくなっていく4羽のヒナたちに、飼育員も一安心です。
今は展示に適したエリアがないのでお客様にお見せできないのが残念ですが、
代わりに動画(動物の森公式YouTube)や写真で成長をお送りいたします。
気になる方は是非ご覧になってください!
(生まれてまだ1か月もたっていませんが、実はすでにかなり大きくなっております。)